2011/02/02
1966年(昭和41年)4月、3期生10余名が入部して部員も40名を越え、前年に演奏会の開催を見送ったこともあって、満を持して演奏会を開くことになりました。
記念すべき第1回演奏会は、この年、11月24日、日本都市センターホールにて開催されました。
演奏会には、加藤登紀子をゲスト歌手として迎えました。
前年の1965年にシャンソンコンクールで優勝した加藤登紀子は、デビューしたばかりの初々しい現役の東大生歌手で、デビュー曲である「赤い風船」のほか、「サン・トワ・マミー」、「恋心」の、計3曲を歌いました。新人でありながら、その後の活躍も納得できる堂々とした歌唱力です。
第1回定演で披露された「赤い風船」「赤い風船」はこの年の第8回レコード大賞新人賞に輝きました。
ちなみに、大賞は橋幸夫の「霧氷」で、本命と目されていた加山雄三は「君といつまでも」で特別賞を受賞しました。
演奏会のチケットは、部員全員で売りさばきました。料金は200円でした。大卒初任給が3万円台の時代です。この頃から、急激な高度経済成長期に入り、翌年には初任給が4万円を越えた、と話題になりました。チケットの料金は、その後、第3回で指定席300円、自由席200円となり、第4回では全席300円となりました。
演奏会で指揮をした井上発博さんは、類い希なオーガナイザーです。
アンサンブルを創部したり、クラブの歴史といったような遺産が全くない白紙の状況で演奏会を開いたり、その演奏会に加藤登紀子を出演させたり、大学3年生でありながらここまでの行動力を示したということに、現在社会人として活躍しているOB会員諸氏のみならず、現役諸君も時々想いを馳せて下さい。
1期生は、井上発博さんを中心に井上順義さんが部長を務め、直木圭さんや野田浩さん、大槻剛さんなどが脇を固めました。
いくら優秀なオーガナイザーがいても、それを支えるスタッフがいなければ、空回りしてしまいます。
OB会の集まりには毎回まとまって参加してくださる1期生の皆さんの団結力こそ、45周年を迎えたアンサンブルギタールの歴史を継続させた源泉であると思います。